ペンション

 
 よく、おすすめのペンションの紹介や、実際にご自分でペンション経営したい方からの問合せがあるので、ここで私のペンションに対する考えを、あくまで自己中心的観点から述べさせて頂きます。








 基本的に、上記に対する期待度が高すぎ、満足できなかった話はよく聞く。私の場合職業柄、人件費や原価計算からサービスの質に対する満足度を計るようにしている。費用対効果が納得できれば、人間ほとんど満足できるはずなのだが、その費用に対する人それぞれの価値観が違うので、経営者の考える費用対効果は充分だろうと考えても満足できない人も大勢居る。中にはペンションオーナーの慢心でサービスや経営の基本姿勢がなってないところもあるが、そういったところはの行く末は言わずと知れている。
 このようにホテルより安い料金でホテル並みかそれ以上のものをペンションには期待している人が多く、しかも、安かろう悪かろうでも納得しない。要するにペンション経営は大変難しい。私がペンション経営のアドバイスをすると、こだわりすぎて原価が跳ね上がり、宿泊料金の設定が高くなってしまうのだが、細部にわたりお客様をもてなす心と、お客様の満足に対する貪欲な気持ちの結果であるし、前述の通り安かろう悪かろうでは通用しない時代には、もてなしとこだわりには、お客様はお金を払っていただける。種類、指向は異なっても良質な高級温泉旅館のもてなし心遣いを、ペンションでも心がければ、お客様はおのずとついてくる。

 しかし、宿泊料金の安さを重視し、且つそれなりの料理、サービスを期待してくる、「割安感」に満足を見出すお客様がペンションには多いため、損益分岐点をどこにもっていくかが難しい。サービスの質を高めれば経費もかかるので、宿泊料金が高くなってしまう。ある程度、金額が高くなってくるとそれに比例してお客様のニーズも高まるため結局切がなくなるので、いかにホテル以下の料金でホテル以上の満足を引き出すかが決め手になってくる。当然のことながら、お金に余裕のある方々は初めからサービスと満足にはお金をかけるので、なかなか宿泊先の選択肢にペンションは入ってこない。
 だが、このような「上客」をお客様リストに列ねることができれば、最高であろう。というのも、上客は上客であるほど本物の価値観を持っておられるので、料金の高い安いよりも、本物、そして本当の豊かさに満足を見出す。そして、「上客」はその知り合いも「上客」である。

 ありとあらゆるお客様を満足させられることが一番であるが、逆に経営者としてのポリシーもしっかりもって、お客様を選別し、自分がこころからそう思える「上客」を増やすことが出来れば、納得のいくペンション経営が出来るはずである。

 マニュアル的に行けば「お客様は神様」なのであるが、経営はボランティアではないので線引きはしっかりしなければならない。
よって、経営者に必要なことは、過去、固定観念にはとらわれずより大きな視野で客観的にお客様の立場でものごとを捉え、こだわり、もてなす気持ちをしっかりと持って、自ら本物、豊かさに触れ、「上客」を見極める目を養うことが肝要である。

 ここで勘違いしないで頂きたいのは、上記のようなことが出来ていないのに、独自の価値観でお客様を選別しておられる方をよくみかけるが、そのような方々は、よく経営の不安定さを時代、景気、天候、お客様の質などのせいにして現実から逃げているだけのことであるので、皆様もご注意を。